まだ午前中だけどきっとこのままだろう。
誰からも祝われない何ひとつ良いことのない寂しい誕生日でした。

もっと誠実な人だと思っていたのにみんな同じやり方をする。正当性を主張して言い訳ばかりで嫌になるね。本当は本当に嘘だったんだなと思う。

何とも思っていなかったのでしょう最初から。
知っていたはずなのに。

 

[本]『栞と嘘の季節』米澤穂信

とても丁度良かった。青春ミステリーというより青春とミステリーとしての配分が。毒の栞にまつわるお話。誰も死なないのに嫌な空気が充満してて高校生ぐらいが抱え込むサイズの事件としては大きな、でも、心理としてはジャストフィットな悪意だった。真犯人も取るに足らない小物というか小悪党でしかないのも丁度良い。信じてる間柄ではなく嘘でもいいと思ってるくらいの関係性がとても心地よい。秘密と嘘と隠し事は重なる部分もあるけど本質的には別の階層にあって俯瞰した時だけ透過で同じ階層にあるように見えてる。重なった部分は4色で黒く染まっていくか三原色で透明になってしまうかは人それぞれ。どういう色で理解したり分解したりするのかなのだろう。人間の心模様も同様に。読み終えた時にふと心臓が冷たくなるように感じる意味合いが付与される見返しと栞紐の紫が綺麗で上品。