この身がこの身を焼いても抱いてもがくんだ呪いの在り処

出す勇気を未だ持てないまま手紙を書いている。
今日を入れて後5日で決断しないといけない。

殺意か憎悪まで高めなければ怒りは消えるものと思っていたけどいつまでも燃え続ける消えない怒りというものもあるのかもしれない。

明後日には十月が終わって明々後日からは十一月だなんて。
奥歯が未来のラジオを受信してるみたい。
幽霊は過去からやって来るものだけど未来から転送されて来る幽霊がインターネットには溢れている。
霊界とインターネットのプロトコルは類似してるから。


[本]『怪談社書記録 蛇ノ目の女』伊計翼

怪談社自体は知っていて糸柳寿昭の本も読んだことあったけど伊計翼の本を読むのは初めて。整理されてるなーという印象。私は実話だからとかいう理由で他人が持ち出したがる「リアリティ」という言葉が嫌いなのでリアルさとかは割とどうでも良くて何か気色の悪い変な話が読み易く纏められていて良かった。私は怪談を怖いか怖くないかというより好きか嫌いかで判断しているので好きな感じの話が多い。糸柳寿昭が『怪談のシーハナ聞かせてよ』で語ってた話も収録されてたけど話芸だからということではなくもうちょっと踏み込んだ感じで怖かった記憶があるので、やっぱり良い意味でも悪い意味でもスマートに整理整頓された怪談という印象が伊計翼の本には強く残る。「石なのに」、「きよみだったのに」、「幸せ家族だったのに」が特に良かった。
「ありがたいのに」の中の

「そのひかりをみたひとたちの話。全部、みどり色だったでしょう? あの世っていうのは、不気味なみどり色なんだから」

っていうのが物凄く好き。あの世って不気味なみどり色なんだってよ。

 

[本]『怪談 四十九夜 合掌』編著:黒木あるじ

好きな作家も期待してた作家も多かった割には目ぼしい話が殆ど無くて不作。玉石混淆ならまだしも全体的に惹かれるものや興味深いものが少ないのは如何ともし難いです。朱雀門出だけ気色の悪い話多めで楽しく読めたかな。