壊しちゃった 愛しくって 殺しちゃった それだけの話さ

二色刷りの夢を見た。
白と青に見せかけて白に見える部分は薄い銀が施してある。
銀色は二色分だから印刷にしたら三色刷り扱いだとか野暮なことは言わないで。
大きな猫が人肉と窒素について語りかけてくる夢だった。

脳は黴て心は錆びてる。
全身腐り落ちる日も近いだろう。
せめて熟れきった果実の甘ったるい匂いだけ死臭に混ざれば本望さ。

［漫画］『光が死んだ夏』2巻　モクモクれん

光が死んだ夏 2 (角川コミックス・エース)

植物的で即物的なエロスとタナトス。今回の髪の毛もそうだけど毎度個人的に「おお」って思うホラー的な描写があって良い。物語は進んでるようで進んでないようで進んでる遅延進行。ボディスナッチャーものは大概が悲劇になるので突き抜けて爽やかで悪意のあるハッピーエンドを迎えて欲しい。救いとかいらないから。趣向も思考も嗜好も違うけど『タコピーの原罪』がああいうエンディングを迎えたからもっと違う悲劇の絶望を洗う喜劇に仕立て上げられたら凄いんだけどな、どうなんだろ。見たことのない地平に辿り着いて欲しい。

［音楽］『from JAPAN 3』Tempalay

from JAPAN 3 [通常盤] (特典なし)

まろやかで聴きやすくなったのに酷く居心地の悪い美しさが浮遊して鼓膜を震わせ耳がとにかく寒い。極寒のハワイのようなアンビバレントなリゾート堪能。メッセージインアボトルでボトルの中に溺死体が入っててその爪の間に炙り出しの遺言めいたメッセージが封入されてますみたいな感覚。密室の謎と伝言の謎と謎を殺して待ち受ける謎の謎々の数々。何言ってるか分からないだろうけど、それでいいんだよ！