人の上澄みはもう ここからは必要ない

クリスマスイブですね。
メリークリスマス。
きっと明日も言う。
明日が本番だから。
人は常に死のリハーサル中だから
死ぬこと以外だったら
何度だって何だってやり直していい。

2022年もあと一週間しかない。
運の悪いヒポポタマスの一生分。
2023年も呑気にブログなんて書いてられるのかしらね。

少しだけ、本当にほんの少しだけ詩に興味が出てきた。
詩は嫌い。
たぶん詩というより詩人が苦手なんだと思う。
でも、やっぱ自分に詩は必要なかったと自分で思い知るまで
少しちゃんと興味を持って接してみようかなと思う。
来年。

攻撃的な言葉を攻撃的に使うのは何か頭が悪い感じがする。
それを思想でコーティングしたり過去の不幸を免罪符にデコレーションするのも。
言葉なら言葉だけでこの世の全てを燃やし尽くすくらいの覚悟がいる。

髪の毛やカバンを燃やされた、骨も折られた、友達はキリで片目を潰された、そういうことを言って、それだから他人に何かを言っても許されるよねというのは何かが違う、何かが間違ってると感じる。
間違いだと気付いた上で間違い続けるのも選択だし、でも、私は間違ってると感じてる自分の直感の方を信じてあげたい。
私は世界を許さないし人のことも嫌い続けるけどそれは私個人の中にだけ在ればいいものだから誘導尋問みたいな共感や同調や同情は必要ない。
生きる覚悟と死ぬ覚悟は違うもの。

こんな暗い話をしたかったわけじゃない。
暗い世界を灯すために世界を燃やす必要はないと今なら分かる。
それでも世界を憎み許さない怒りだけは絶やさず燃やし続けたい。

電飾で嘘くさく綺麗になった世界のこと、少しは好きでいられるから。
人が羨むくらい幸せのフリが上手くなりたい。
せめてクリスマスの間は。

今日、明日くらいは平和で穏やかであって欲しいし願いごとの一つくらいは叶えて欲しい。
全てが他力本願でしか叶わないことが転がっていてそのことを考えると死にたくなってしまうから光で眼を潰しておくれ。

体調がほんのり良くないのでクリスマスは部屋から出ない。
ぼっちでも何でもクリスマスは楽しい気分でいられるから良い。
でも、今日の体調の悪さを鑑みると
昨日の間にチキンもケーキも食べておいて正解だった。

皆様は良い一日を!

 

[本]『奇談百物語 蠢記』我妻俊樹

良過ぎて何も言うことがないし、素晴らし過ぎて何も言いたくない。とても好きな話ばかりで怖さが血液の中を流れていくのを感じた。永遠に読んでいたいと思わされる、自分にとっては完璧といっても過言ではない怪談集。世界の断層も自分の断層もズレてその互いのズレを誰かが徐に勝手に瞬間接着剤で雑にくっ付けた時に発生する発狂した世界の正常性という齟齬。異常さはないただ狂ってることが普通になっている。異常なことが異常と認識できない異常。好きな話を幾つか選ぼうとも思ったけど殆どのページにカラフルな呪符のように付箋が張り巡らされてるほどめくるめく好きな怪談で溢れてるので選ぶのは諦めた。少しでも実話怪談に興味があって私の感性に何かしらのシンパシーなりエンパシーを感じる人には是が非でも読んでもらいたい極上の一冊。

 

[漫画]『コワい話は≠くだけで』1巻 漫画:景山五月 原作:梨

失礼な話、正直言って何も期待してなかったけど良かった。本来なら醍醐味のはずの怪異の描写こそ全くピンとこなかったけど構成というか物語の俯瞰具合が良い。怖いというか気味の悪いところがしっかり気味悪いし気持ち悪いし気色悪い。虚実というよりフィクション/メタフィクション/ノンフィクションがかなり曖昧にシームレスに繋がっていてところどころ穴が空いているからフェイクドキュメンタリーを漫画でやったらこういうニュアンスが一番効果的なんじゃないかなと思える感じだった。幽霊とのディスタンス、実話とのスタンスが程よい。