これが最後のチャンス 自爆しよう

近所の子が練習してるピアノが鳴っていて少し窓を開けると息が白くて冬の日曜日の午前中だなって思った。

今年は今の所まだ忘年会の誘いがないので良いような悪いような気分。

さみしくて死んだウサギの毛皮だけを集めてコートにして冬へと走り出そう。死んだ目に光を集めて。流線型の。

 

[本]『知られざるヴィジュアル系バンドの世界』冬将軍

知らないことがたくさんあって面白かった。ヴィジュアル系に興味があって深掘りしたり歴史を遡っていくと源流は必ずX-JAPANBUCK-TICKになる。たぶん大元も本筋もそうなのだろう。本書は第一次ヴィジュアル系ブームを支えたというか作り出したバンドたちとその黎明期から第二次ヴィジュアル系ブームあたり迄の話かな。ざっくり言うと。

ここからは本の感想というより詰まらない自分語りやヴィジュアル系に対する自分の気持ちの話なので読み飛ばして構わない雑文です。
暴言覚悟で言うと私にとってヴィジュアル系というのはカルチャーでありエンタメだと思っているので音ではないです。私の中に「ヴィジュアル系っぽい音や音楽」というのは確かに存在してるけどそれは全く万人にも万国でも共通するものではなく、あくまでも「私の中のヴィジュアル系の音や音楽」でしかないのです。
ここで勘違いして欲しくないのはヴィジュアル系が音楽ではないと言ってるのではなく、ヴィジュアル系はヴィジュアルを含めた表現形態であって音楽ジャンルとしてこれがヴィジュアル系ですというカテゴライズできるものがない鵺みたいなものであって正体がなく、私からしたらヴィジュアルさえヴィジュアル系なら音はオルタナだろうがメタルだろうがパンクだろうがそれこそヒップホップでも良いと私は思っているということです。
ただこれは初めて聞いたバンドや触れた時期によって考えや捉え方も大きく異なるし「いや、私にはちゃんとしたヴィジュアル系に対する美学がある」と反論も反感もあっていいし、あるに決まっていて、その人それぞれにヴィジュアル系とも言える間口の広さと美意識・美学を許容できるのもヴィジュアル系の良さであり強みであると私は思っています。
私はずっと家族とかクラスとか大小関係なく集団に馴染めなくて見下され惨めな思いを抱えていて、その下らない詰まらないありがちな憐れな境遇が音楽ジャンルとかバンド幻想を抱いてる音楽ファンなんかから冷遇されているヴィジュアル系というジャンルそのものに勝手に仲間意識のようなシンパシーを感じるようになって聞くようになりました。
だからと言って世界に居場所ができたわけでもないし何も救われてはいなけど、矛盾してるのも分かってるけどそれでも私はヴィジュアル系というものに大袈裟に言うのならば光を見出しているのだと思います。
これは分かって欲しいわけでもないし分からなくて結構なので共感も仲間意識もいらないし交流もしないけど、それでも偏見なく自分が好きで自分に自信を持ってヴィジュアル系を聞いてる人が周り(というかインターネット内だけど)に居ると嬉しくなる。
生きていく為の特別な武器を私に与えてくれてヴィジュアル系だけがそれを可能にする。ヴィジュアル系は弱いままでもいい生きられる強さを許してくれると私は勝手に思っている。
だから誇りに思って欲しい。
ヴィジュアル系の人がヴィジュアル系を揶揄したり肯定的に捉えていないのは悲しい。
ヴィジュアル系は音楽じゃない、ヴィジュアル系ではなく音で評価してくれと言うのは気持ちとしては分からなくはないけど、グラムロックのグラムだってグラマラス所以だし、それが生まれた当初はそれが音楽を表す言葉じゃなかった音楽ジャンルだって腐る程あるのだから、ヴィジュアル系だってそういうものとして捉えて欲しいのです。
せめてやってる側はそうであって欲しい。
私はこれからもヴィジュアル系が大好きだから。
そしてその自分を誇りに思うから。

ちなみに私が好きなヴィジュアル系は、えんそく、ZOMBIE、アルルカン、ザアザア、メトロノームゴールデンボンバー……etc. です。

 

[音楽]『CHAOSDIVE』アルルカン

「PICTURES」で気を吐いてあの境地に辿り着いた人間はもう愛と平和とかPMAになるしかないんじゃないかと心配してたけど悪い意味じゃなくて通常運転。転調と展開が多い気もしないでもないけどカッコいい。PMAなヴィジュアル系なんてものは存在しないのでそれはそれでそういう方向や可能性も面白いかもしれないがそれはもうきっとアルルカンではなくなってしまうだろう。これからも生き様を見せつけて行って欲しい。

 

[音楽]『月夜見』ザアザア

月夜見

月夜見

  • littleHEARTS.Music
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私がイメージするヴィジュアル系っぽい音に一番近いのがザアザアだと思う。だから王道のパターンとメロで安心してカッコいい。「アル中」を配信することも決まっていたのか歌詞もメンヘラちっくなアンダーな気持ちやネタソング的なオモシロに寄ることなく王道で良い。

 

[音楽]『アル中』ザアザア

酒が飲める歌。これがヴィジュアル系におけるパーティー・キラー・チューンだ!!!