喜びと悲しみが時に訪ねる

昨日は友達と出かけた。
お祭りに行ったり花火を見たり、「雲ひとつない青空は薄い膜に覆われて底なしに落ちてく感覚があるから怖い」という話をしけど「わからない」と笑われた。
金木犀の香りが穏やかな残酷として一つの季節の終わりを静かに語っていた。
今度は紅葉の季節にお気に入りの椅子を持って「寒いね」とか言いながら山でのんびり苦くて熱いコーヒーでも飲もうよと約束をした。
ドライブのお供にシャッフルで私のプレイリストを鳴らしていたんだけど昼はパンクで夜はジャズだったから「情緒よ……」と心配された。敢えてメタルはかけなかったのに……。

写真を撮る習慣を身につけたい気持ちがあるので気になったものを取り敢えず撮ってインスタに載せるということをしてる。
他の人にそれが楽しいのか分かんないけど私には新鮮で楽しい。
誰かも私の視線を愛しいと思って貰えるようになったらいいな。
私の眼を通した世界をあなたにも、少しだけ分けてあげたい。

普段なら何気なく通り過ぎたり見過ごしてるものを収めておくのはそれはそれで良いと思う。思い出なんかいらないし、私は薄情だから過ぎてしまうもの失くなってしまうものは仕方ないと思っている。時間も人や関係も。
でも、最近はそれでも本当に失くしたくないのなら足掻いてみるのも悪くないのかも知れないと思うようになった。
みっともなくて惨めだから相手から尚のこと引かれたり嫌われたりして徹底的に決定的に関係を悪化させるだけのこともきっとあるだろうけど諦めの悪い自分も肯定したい。ただ、それは自分のしたことを棚上げしたり正当化する行為であってはならない。
引き際は肝心だから迷惑をかけるのは違う。
関係は相互だから難しいよね。

あなたが私の猫のパジャマなのに。
それを伝える術などなくて……。

何かワンセンテンスくらいで言い切れることがあったような気がしてるし、それで終わるくらいが本当は丁度良いとは思っていて、まだこのブログの使い方を迷っているというか持て余してる部分がある。

 

[本]『引き出しに夕方をしまっておいた』ハン・ガン

私は詩が苦手で読み方が分からないと常々から思っているのだけれどこれは良かった。相変わらず読み方は分からないし理解など遠く及ばないけど仄明るさと仄暗さが混ざり合う光が自分の中に灯るような気がした。それぞれの引き出しにはそれぞれの夕方がしまってあって、それはきっと引き出しを開けて見なければ見ないほど見せなければ見せないほど本来は綺麗に輝き続けるものなのだろう。それこそ、永遠に、美しく。たぶん、この場合の夕方は自分の知ってる夕方をしまうものなのだろうけど、私は、私にとっても知らない夕方が静かにそっと綺麗にしまわれていて、私が死ぬまで私すらその夕方を知らないままでいたいと思った。
何篇か好きな詩があったけど、その中の「序詩」の一部を抜粋。

いいえ、言葉は要らないだろう。
あなたは
私が言わなくても
みんな知っているだろうから。
私が何を愛し
何を悔いたのか
何を取り戻そうとして無駄な努力をし
最後まで執着したのか
しがみついて
目の見えない物乞いのように手探りし
ときには
あなたに背を向けようとしたのか

 

[漫画]『カナカナ』4巻 西森博之

ただただ大好き。佳奈花ちゃんは常に可愛いけど沙和さんの可愛さが光りまくってる大葉を枯らしてしまった絵日記の話がもうめちゃくちゃ好き。みんな真っ直ぐで泣きそうになる。西森漫画といえば本当に嫌なクズが必ず出て来るけど今巻にはそれが全く居なかった。

 

[音楽]『バターロールトレイン』えんそく

ここへ来て「バターロールトレイン」を聞くだなんて思っていなかったから不意撃ちで泣いてしまった。